「え、と……ここって…」 私の声に、彼はクスクス笑いながら歩き始めた。 手を繋いでるから必然的に私も歩く。 「約束したよね?」 ――瞬間。 「……した!覚えてたの?!」 嬉しくて彼に飛びついてしまった。 入り口には大きなクジラとシャチのオブジェ。 そう。ここは、水族館。 あんな小さな約束を、覚えててくれたんだ。 嬉しすぎて泣きそうになるのをグッと堪えて、彼の後ろを着いていった。 .