「でもわたし、一応、彼氏いるんですよ…」 「僕にも、一応、彼女がいるんですけどね」 そう云って、僕は彼女の方へちらっと視線を向けながら笑った。 黙ったままの二人のはるか前方で、夕日が時計の長針のようにゆっくりと、水平線へと降りて行く。