こんなのもう慣れている。 雨の中、傘もささず、こんなところに居るからだろう。 でも、皆して私の存在を否定するんだ……。 母親とその子供はそそくさと去って行った。 もう、疲れちゃったな。 生きる意味も、ないんだし。 私がいても、世界が変わるわけでもない。 私は下を見ずに 歩道橋に片足をかけた。 怖くない怖くない…。 これが終わると、自由なんだよ? 私は目を固く瞑り、もう一方の足もかけようとした。