「あ、うん。」
久しぶりに二人きりになった。
久しぶりって言っても、2時間位だけどね。
でも、ものすごく長く感じた……。
「あいつ、昔から孤独だったんだ。父親にも、なかなか会えないし。母親は外国を転々としてるし。昔から使用人ばっかりに育てられていたんだ。」
え?
そうだったんだ………。
確かお金持ちの家だったよね。
「しかも、学校は行かず、カテキョ付けてもらってさ。だから人とのかかわり方が分かんないんだ。だから、甘やかすのも悪いけど、ちょっと多めに見ていやってくれ。」
樹が真面目に語っていた。
「うん………。」

