電車に揺られながら、ふと思い出す。 そういえば、帝が鏡を見てからどうのこうのって言ってたなぁ。 鞄を探って鏡を取り出す。 鏡に映った自分の顔は、 もう泣き止んで時間が経つというのに 真っ赤な目をしていた。 『西園寺 帝。 あたしもあんた、気に入ったよ』 小さく呟いて、電車を降りた。