里帰しの3人

「おい!」


我に返ったのはレイの一言だった。心臓がドキリとして、声のした方を見る。

そこには左肩を白い布で巻いたイーシャと、それに寄り添うようにレイがいた。

それはイーシャの応急処置が終わった当たり前の光景なのかもしれない。

少しだけ苦痛に顔をゆがませているイーシャに、私はただ近付いても謝る事しか出来なかった。


「ごめんなさい、ごめんなさい!」


だけどイーシャは何時もの声色で、私の髪を右手でくしゃりと撫でて、それから、


「言ったじゃないか。ドラゴンがそれで気が済んで、里に帰ってくれるならこんな怪我なんて痛くないって」

「でも……!」


私が油断しなければイーシャはこんな事にならなかった。

ドラゴンの機嫌の問題ではない。今にも泣きそうな私に、今度はレイが言う。