里帰しの3人

「これが欲しければおいで?」


私はギフトリスに背を向けて、湖へと走り出した。

背後では大きなうめき声と共に走る地響きが聞こえた。どうやら作戦は上手く行ったようだ。

……いや、湖に辿り着かなければうまく行ったとはいえないか。


「なんて無茶な事を……くそっ! 援護するぞ、アーテルが危ない」

「分かっている」


そんな声が聞こえた気がした。勝手な事をしているのは分かっている。

だけどいつまでも少ししか役に立たない、足手まといでいたくない。

いつも2人はかすり傷程度とはいえ、何時も怪我をしている。今日くらいは無傷で済ませたい。

そんな思いが頭の中で渦巻きながらも、ただ必死にひたすら前へ前へと進む。