里帰しの3人

種類だけを聞いただけで、私はそのドラゴンの特徴を頭に浮かべた。

ギフトリス……確かに身体は黒くて瞳が金色で、最長で二十メートルの大きさ。

空を飛べないけれど羽根がある少し変わった種族。

他にも特徴はあったけれど何なのか思い出せない。

とても重要な特徴な筈なのに、なんでこんな時に思い出せないの!?

進むにつれて確実に大きくなっているギフトリスのうめき声。すぐ傍まで来ていると言うのに。


「いたぞ!」


一番前を歩いていたレイが、そのギフトリスを見付けた。

情報通り十メートルほどの大きさのギフトリスがうめき声をあげながら、木々を踏み倒している。

このまま進めば私達の町にやって来るのは間違いない。なんとしてでも止めないと。

何時も通りにやれば絶対に助ける事が出来る。

でも……ギフトリスって何処に帰せば……。

特徴を思い出そうとしていたばかりに、すっかりそれを失念してしまっていた。