「ここがあたしの家」


「…おぉ」


ひかりの家はいたって
普通だった。


そこにすごく安心した。


表札には【冬野(フユノ)】と
書かれていた。


「ひかりの上の名前
冬野って言うんだ」


すげー可愛い名前じゃん。


「うんっ
偶然だけどすごいよね。
前の名前より好き」


その言葉に
俺ははっとなった。


そうか、
ここはひかりの
里親なんだ。


「ほらっ!!はいって!!」


ひかりは元気よく
俺を家に押し込んだ。


「お、おじゃましますっ」


俺はテレビドラマで
見たようにちゃんと
挨拶をした。


「ただいまーっ!!」


「おかえり、ひぃちゃん」


奥から優しい
男の声が聞こえてきた。


「えっ!?れいくんいるの!?」


ひかりは俺をほったらかし
走って奥へ行った。