「よぅ。」


俺は"いつものそいつ"に声を掛けた。


「ご無沙汰してます。南先輩…。」




南先輩…。なんて呼ぶこいつは2つ下で中学1年、いわゆる入学したての新米生徒だ。

後輩と関わるのは初めてじゃない。


でも俺に"あなたは誰なんですか"なんて言った後輩は初めてだった。

と言うのも俺は全国でも有名なサッカー部のエースだからだ。



そいつの名前は荒川萌。

萌はとんでもなく面白い。
だから今日も俺は教室から逃げるというなの萌に会いにいく。