「ご注文は? カフェラテで?」

「ふふっ。そうですね」

 
 カフェラテを注文するのが当たり前だったんだ。


「ラテアートはおまかせで」


 こういうのも決まり文句みたいで。

 
 その言葉を滝沢さんは笑顔で受け取る。



 あぁ・・・私はここが好きだ。

 次、浩貴も誘ってきてみようかな。


 でも、滝沢さんに嫉妬してしまうだろうか。


 
 文化祭であんなことをした奴だし、十分に考えられる。


 あれを思い出すと、少し背筋がゾっとする。


 なんつーことをするんだアイツは、全く。


 
 ・・・・・・でも、浩貴たしかコーヒー好きだよね。

 糖分があんま入ってないやつ。


 ここのコーヒー美味しいし、来て欲しいな・・・。


 ・・・嫉妬されたら困るけど。



 んー、どうしたらいいもんか。


 なんてぼんやりと考えながら、窓の外を見る。


 
 高1の時、ここから見える景色がお楽しみでもあった。


 季節が変わると、ガラっと変わる景色。

 カップルが多い通り。


 いちゃいちゃカップル、クールカップル、熟年カップル。

 
 時には別れ話を切り出して彼氏を殴っていた人もいた。


 
 そんな景色に気になる光景。


「あ・・・」