「こんにちは・・・」

「いらっしゃいませー! ・・・あ、久しぶり」

「え、あ・・・滝沢さん?」


 1年ぶりくらいになる。


 ラテアートの上手な茶髪のお兄さん。

 滝沢健人さんだ。


「覚えててくれた」

「滝沢さんこそ・・・1年ぶりくらいですよ?」

「そっちこそ、よく覚えてたね」

「高1のとき、たくさん通ってたから・・・」

「だからオレも覚えてるんだよ。あ、席まで案内します」


 滝沢さんは私を窓際の席に案内する。


 高1の時、私はこのカフェによく通っていてよくこの席に好んで座っていた。

 そのこと、覚えててくれたんだ。


「えと・・・名前、麻友ちゃんだったよね?」

「え・・・知ってたんですか?」

「麻友ちゃんが自分で自己紹介してきたじゃん。1年前に」

「///そうでした・・・」


 あの頃は、滝沢さんにゾッコンだったんだ。

 
 だから、めいいっぱいアピールしてたなぁ・・・。


 
 その何ヶ月かしたら、仲谷浩貴という人物に出会ってその人にゾッコンになるのだが。