「オレ今日一緒に帰れないから。生徒会の仕事あるし」

「あ・・・うん」


 しょうがないことだ。


 これはもう義務的なことであって、私が口出し出来るレベルではない。



 しょがない。

 そんな呪文を数回唱えて、自分を納得させた。

 納得せざるえない。


「会長」

「ん」


 会長と呼ばれて浩貴が振り返る。


 振り返ったほうには、肩までの髪を揺らした女の人。

 副会長だ。


 真面目で厳しいと噂の副会長。


 私はしゃべったことないんだけど・・・いかにも副会長って感じの人だなぁ。



「この前の文化祭のアンケートの資料なんですけど」

「うん・・・あ、麻友はもう帰っとけ。気をつけろよ」

「うん・・・仕事頑張ってください。。。」



 そう言うしか出来ない状況だった。


 小難しい話をする浩貴は少し別の人のような感じがして、生徒会という仕切りの中に入った人だと思った。


 だから、踏み入れないし、踏み入る気ないし。



 おとなしく私は帰った。