「キスしないからそのうちに息整えてて」


 ニっと笑う浩貴。

 
 息の乱れなんて少しもない。


 私は呼吸を何度か繰り返す。



 なのに、浩貴は私の首元に舌を這わせる。


 変な声が出そうになって口を手で覆う。



 呼吸を整えれるわけない。


「あれー? 口塞いでいいの? 呼吸整えるんでしょ?」


 性悪な笑顔で私の顔をのぞきこむ。



 コイツにはもうお手上げ状態。



 
 でも、キライになれない。



 好きだ。