「麻友・・・・・・バっカじゃねぇの」

「は?」

「お前、オレをなめてんの?」

「ちがっ・・・」

 私の頬を両方からギューっとして、口がタコみたいにギューっとなる。

 言葉をしゃべれなくて、私は両手をバタバタさせた。


「生徒会長になったときから、覚悟してんだよ。こんくらい。オレは、お前が笑ってりゃそれが力になるから」

「・・・・・・」

 手をパっと離されて、口が元通りになる。

 でも、しゃべることはできなかった。


 さっきの浩貴の顔が、すごくすごく優しくて。


 すごくときめいたからだ。



 うわ、なんすかキュンキュンですけど。

 キュンキュンしすぎて死にそうですけど。


 浩貴にはかなわない。



 絶対勝てない相手だろうな。



 そんなことを考えてふぅっとため息をついた。


「んー・・・でも、オレもやっぱ少し疲れてるから、休憩するわ」

 そう言って、ソファに横たわったままゆっくりと目を閉じた。

 え、あっさり寝ちゃうの。


 少し拍子抜けっていうか、なんかなぁ。

 ヒマだから浩貴の観察をしてみる。

 

 まつげ長いなぁ。

 私より絶対長い。

 肌も白くてキレイ。

 私よりキレイかも。

 唇も形がよくて、アゴのラインもシャープで・・・