「っとに・・・麻友って面白いな」

 生徒会室でクスクスと笑う仲谷くん。

「ひ、ひどい! は、半分仲谷くんのせいじゃん!!」

 しかも、私だけ笑いものだし。

 由梨にも大笑いされたし。

 最悪だ・・・・・・。


 先生にまで笑われちゃったし・・・。


「だって、しょうがねぇじゃん。可愛い麻友を、見ときたかったんだよ」

「んなっ!?」

 くそぅ・・・。

 やられた。

 一瞬にしてハートをわしづかみにされた。

 
 私は、返す言葉はなくなって、負けた気分。

 ま、じっさい負けた感じだよね。


 仲谷くんはズルイ、ズルイ。


 もう、怒れない。

 反抗できない。


「ほら、麻友おいで」

 従うことしかできない。

 
 私は、コクンとうなずいて仲谷くんのひざにチョコンとすわった。

「はは、いい子だな」

 そう言って、仲谷くんはくしゃっと私の頭をなでた。

 笑顔だ。

 その笑顔が、好き。

 
 少し大人びた仲谷くんがみせる、無邪気な笑顔に。

 
 とりこなんだ。