「ま、しゃーねぇな」

 ポンと頭をなでられて、部屋に招き入れられる。

「オレ床で寝るから、お前ベッドで寝ろ」

「え・・・うん」

 案外簡単に納得してもらえたなぁ。

 やっぱ1人より2人のが、安心。

 怖くない。


 だけど、仲谷くんが床で寝ることになってしまったのは計算外だった。


 それは、ちょっとイヤだった。


「・・・一緒に、ベッドで寝よ」

「は?」

 すっとんきょうな声を上げて、眉間にしわまで寄せられた。

「何言ってんの。オレとお前は屋根の下に2人っきり! 分かってるか?」

「うん?」

「だったら考えろよ。襲ってくださいって頼んでんの?」

「・・・仲谷くんが床で寝るのはイヤ」

「・・・・・・でも」

「なら、私が床で、寝てやんよ!」

「は!?」


 私は布団を、仲谷くんのお母さんの部屋からずるずるともってくると、それにくるまって床に寝っ転がる。

「仲谷くんはベッドでお願いします!」

「・・・・・・断る」

「でも、私は動きません!」

「動け」

「動かない」

「動け、オラ」

「動かないぞ、ゴラ」

 なんか言い合いになってきている。。。


 こんなつもりはなかったのだけど?


 だけど、ガンとして仲谷くんを床で寝させたくはないのだ。