バカデカイくせに、中身全然つまってません。
何か、生活してるって感じがほんの少しも感じられない冷蔵庫。
「あ、昨日余ったモンで鍋にしたんだった」
「・・・・・・この辺ってスーパーあるかな?」
「チャリで5分」
「よし、行こう。チャリ貸して」
「いや、やめよ」
「え・・・?」
「貸してじゃねぇだろ。乗せてだろ? オレの後ろに乗るんだからな」
チャリ鍵をくるんくるんと指先で回してニヤリ。
2人乗り。
久しぶりだな・・・。
友達としか乗ったことないんだけど。
「ほら」
マンションの外で、自分の愛車だ。
とでも言うように、ママチャリのサドルに手を置く。
「ママチャリ・・・」
「だって、ママチャリとかじゃねぇとカゴねぇし」
「そうだけどもね・・・」
まぁ、いっか。
買い物袋とか入れないといけないし。
見た目とギャップがあるけど。
まさか、こんな見た目超カッコイイ人の愛車がママチャリって予想してなかったから、ビビってるだけ。
「ま、つかまれよ」
後ろに乗って、仲谷くんの腰にギュっとつかまる。
うっわ。
背中広い。
何か温かい。
男子って、こんなモンかな。