「なか・・・たにくん」

 私はいつの間にか、仲谷くんの隣に座って、仲谷くんをギュゥっと抱きしめていた。

「ま・・・ゆ」

「私が、私が側にいるよ。仲谷くんが寂しい分、悲しい分、私が側にいてあげるから」


 もう、半泣き状態で。

 抱きしめる腕が少し震えてるのが自分で分かった。

 
 今まで、辛い過去を背負ってきたんだ。

 今まで、辛い想いしてたんだ。

 私、気付いてあげれなかったね。

 だから、気付いてあげれなかった分、これから貴方の側にいます。


 少し沈黙の間。

 仲谷くんの笑い声が聞こえた。


「え?」


 な、何で笑ってるの?

 わ、私変なこと言った? した?



「お前・・・オレの親が死んだとか思ってんの・・・?」

「え、うん」

 そうじゃないの?

「オレの親は、ただ夏休みは夫婦で旅行に行くから、長い間いねぇんだよ」

「へ!?」

「バカっだな」

 ぶにっと、指で頬を突かれる。

 私の頭は少し放心状態。

 だけど、これだけは分かる。


 あーーー恥ずかしいっ!!!


 何、勘違いをぉぉ!!


 てか、仲谷くんが紛らわしいんだよぉ!!!

 言い方が!!!