まぁ、そんな向井くんだ。

 動揺しないワケがない。


「なに、麻友。向井くんと何か・・・」

「ぜんっぜん」

「あ、そう」


 何かあったら、仲谷くんに殺される。

 私の頬に冷や汗が伝った。


「ねぇ、麻友。夏休みさ、どっか出かけようよ。少し遠出で」

「あ、いいね」

「海とかいいよね」

「うん!!」

 私は大きくうなずいて、由梨とファッション雑誌に目を向けた。

 見ているページは水着がのっているページ。


 水着・・・可愛いんだけどさ、こういうのってモデルがいいから可愛く見えてるだけなのかな。

 私が着たら、可愛くなくなっちゃうのかもなぁ。


 とか、少々不安。

 水玉のビキニとか、可愛いとか思うけどね。



「由梨はいいなぁ・・・スタイルいいから何でも似合うよね・・・」

「ん? そんなことないって。普通だって普通」

 嘘ばっかり。

 
 だって、スクール水着だけでもすごくキレイに見えたんだもん。

 スタイルいいのって得だな・・・。


「あ、麻友。彼氏の仲谷くんとは何か用事ないの?」

「え・・・まだそんなこと話してない」

「夏休み近いんだし、計画しとかなかきゃ」

 由梨はそういうと、夏休み特集のページがのった雑誌を私におしつける。

 
 キャンプとか、海とか。

 
 仲谷くんと・・・初めての夏休みだなぁ。