「何・・・? その、話って・・・」

 あぁ、仲谷くんのせいで自意識過剰になるじゃん。

 
 本当に向井くんが、私のこと好きかもって・・・。

 だって、このシチュエーションも告白っぽいかもだし。

 
 あぁぁぁぁぁ!!!!!


 自意識過剰、おさまれ!!


「そのさ・・・オレ」

「うん・・・」

 心臓がバクバクいってる。

 だって、こういう場面に慣れてないんだもん。

 告白じゃない・・・よね。

 てか、私に・・・告白?


 ないない。

 どうせ、別のこと。
 
 あ、そうだ。友達の由梨になんか用事とか、あ、由梨が好きとか。

 最近、由梨と向井くん仲良さそうにしてたし。

 これで解決。


 あぁ、やっと自意識過剰がおさまったなぁ。


 心もついでに落ち着けようか。

 人っていう字を3回・・・。


「大木が好きなんだ」

 ・・・・・・・ん?


 待て待て。

 幻聴???


 まだ人っていう字2回までしかかいてないし・・・。

 心が騒いでて幻聴が聞こえただけかもしれない。

 よし、ラスト1回かいて・・・


 ゴクンと飲み込んだ。


「あの・・・ゴメンけど、その、聞こえなかったからもう1回言ってくれない?」

「・・・お前が好きなんだよ」