「・・・ヤらせてください。麻友」

「なんで敬語・・・」

「命令形はダメかなー、なんて」

「・・・・・・」


 さっき、真っ赤にされた仕返しに。

 ここでは何かしてやりたい。


 浩貴の部屋で、私は考え込む。


 どうやったら、この束縛男をあっと言わせれるもんか・・・。



 あ。



「・・・浩貴」

「ん?」

「卒業祝い、もらってない」

「は?」


 予想外の言葉が来て、すっとんきょうな声をあげる浩貴。


「何、オレも卒業したんだけど?」

「私、浩貴に卒業祝いあげるよ。浩貴もちょうだい?」

「え、あー・・・うん?」


 骨ばった大きな手を口元にやって、なんだか腑に落ちないような。

 不思議な顔をする浩貴。


 さぁ、ここから私のビックリ発言。



 1回しか言ってやらないから。


 心して聞いて欲しい。




「浩貴からの卒業祝い・・・、もう決めてるの」

「なにそれ。オレがあげる内容、お前が決めたの?」

「うん。あのね」



 一度間をおいて。





「今日はいっぱいっぱい、浩貴の気のすむまで、愛してください」