「・・・独占欲強いって、困るな」

「浩貴もそんなこと言うんだ・・・」

「いや、困るだろ。今な、結婚式はパーっと色んな奴呼んで、麻友はオレの嫁だー!! って言いたいけど。麻友の可愛い姿を他の奴に見られるのも・・・」

「なにそれ」


 なんか


 愛されてる感がして、口ではぶっきらぼうだけど。


 少しニヤついてしまう。


 
「もう、高校卒業したのに。まだ独占欲バリバリ強いね」

「・・・もっと、大人な男のほうが好き?」


 私の答えなんて知ってるくせに。


 後ろからギュっと抱きついて、イジワルな笑みを浮かべている。



 もう着ることない、ブレザーのゴワっとした感触が、ほっぺに当たった。


「今の浩貴が大好きだよ」


 顔を上げて、そう言ってやる。


 少しドヤ顔で。



「うん、知ってる」


 浩貴は優しい笑顔でそう答えた。


 ほら、知ってた。