「ねー、まだ怒ってんの?」

「怒ってます」

「最後までしなかったじゃん」

「あんなとこですることじゃないでしょうが!」

 観覧車の中で・・・なんてことをっ!!


「じゃぁ、今ならいーの? 生徒会室なら」

 浩貴はすくっと立ち上がると、生徒会室の鍵を閉めた。  


「ちがっ・・・そういうんじゃ」

「しよっか?」

「っ・・・///」

「なんてね。今はしないよ・・・・・・・あれ? 物欲しそうな顔してる」

「してないっ!」

「・・・って、今日はそんなことする予定じゃなくて。はい、これやる」

「え・・・」

 いきなり、手にポンとラッピングされた箱を渡された。

 このラッピング見覚えある・・・。

 確か可愛いアクセとかがいっぱいだけど、ちょっと高いお店・・・。


「って、なんで!?」

「あほ。今日は何月何日だ」

「えと・・・12月5日。あ・・・誕生日だ」

「そうだよ」

「なんで誕生日・・・」

「松竹から聞いた」

「あ、そうなんだ」

「サプライズとかしたほうがいいのかなーとか考えたけどさ、そういうのタルイからやめた」

「そんなの気にしなくてよかったのに。もらえるだけですっごい嬉しいの」

 ニパっと笑って浩貴を見上げると、なんか少し照れたような顔をしていて。

 それを見て、心があったかくなったんだ。


「これ、開けていい?」

「どうぞ」

 包装紙を破らないように、丁寧にテープをはいでくと、白い箱が姿を現した。

 少し高級そうな箱。

 こんな高級系なプレゼントもらったの初めてだから・・・少し緊張してるんだよね。


 指に少し力を入れると、パコっ、と乾いた空気の音がして、銀色のものが見えた。