――― 一方。大木麻友と松竹由梨は。
「美味しいね、麻友!」
「そうだね!」
スイーツを食べながら談笑・・・。
2人の頭には、くま耳。
・・・と、思いっきり満喫していた。
「どうする? またメリーゴーランド行く?」
「いいの!?」
「あんたメリーゴーランド好きだもんね。高校生になっても」
「しょうがないじゃん、好きなんだから」
「じゃぁまた行こっか」
「うん!」
あぁ、楽しいっ!
メリーゴーランドにも乗ったし、また乗れるし。
すっごく由梨との時間を満喫している。
なんかこうやって由梨と遊ぶの久しぶりだー。
「・・・あ。真からだ」
軽快なポップな曲を奏でながら、由梨のスマホが鳴っている。
由梨はスマホを少し見ると、そのままカバンにしまいこんだ。
「出ないの?」
「うん。どうせ出たら、どこにいるんだ。とかしか言ってこないし。まだ麻友と遊びたいしー」
ニコニコと笑って、由梨は私の顔を見つめる。
私も笑顔で返す。
私もまだ由梨と遊んでいたい。
けど、
浩貴と向井くんのペアが心配でもある。
・・・向井くん平気かな。
そんな不安が頭をよぎった。
・・・その不安は見事に的中しているんだけど。

