「歩きにくいもんはしょうがねぇじゃん・・・」
浩貴はそうぼやいた。
「・・・うー・・・・・・」
「だって、マンガとかでよくある、マフラー2人で巻く・・・カップル巻き? あれも無理だろ」
「え・・・あれ憧れてたのに」
「身長差があって、オレの首がしぬわ」
「・・・そうですね」
「お前、電車でオレのひざ乗るのは恥ずかしくて拒否するくせに・・・」
「あれはね・・・今はちょっと今甘えたくて」
「・・・・・・歩きにくいから、カップルつなぎとか言うやつじゃダメ?」
浩貴はそう言うと、私の手をとって、指をからめてつなぐ。
そんな行動に一瞬驚いて、足が止まってしまう。
「なに」
「いや・・・そのー」
「セックスしたことあんのに、恥ずかしいわけ?」
「ぶ、///ば、ばか!!」
いたずらっぽい笑みを向けて私の手をグイっと引く浩貴。
あぁ、なんでこいつのペースに巻き込まれてるんだか。
なんともいえないし。
でも、離す気なんてさらさらない。

