そんなこんなで電車に乗っていき、途中で降りてバスに乗る。
バスは遊園地の近くで停まった。
バスから降りて辺りを見渡すと、観覧車が見えた。
・・・あの観覧車小さい頃はよく乗ったなぁ。
ていうか、遊園地に来たこと自体が小さいとき以来だ。
「久しぶりだねー」
「うん」
「じゃぁ、歩いていきますかぁ」
由梨はそう言うと、自然に向井くんの方へ行き手をつないだ。
そんな自然な光景を見ていると、左手をギュっと握られる。
もう慣れた手の感触に、左上を見上げると、浩貴が笑っていた。
・・・小さい頃の私は、いつもお父さんと手をつないで遊園地までの道を歩いていた。
今は、浩貴が私の手を握って歩いている。
・・・・・・なんか変な感じだ。
「遊園地とか久しぶりだなー」
「浩貴と行くのは初めてだけどね」
「そうだな」
「デートするの久しぶりだし・・・」
自分でそう言いながら、少し寂しい気持ちになって、甘えたい気持ちが出てきた。
手をつなぐだけじゃたりなくなって、思わず腕に絡みつく。
浩貴はどんな表情をしているのだろうか。
少し期待して浩貴の顔を見上げて見てみると
「歩きにくっ」
そんな反応が返ってくる。
頭の中でガーンという文字が落ちてきた。
仕方なく腕を離して、ついでに手もつなぐのをやめた。
・・・ヤらせろとか、エロイことしてくるくせに・・・。
こうやって甘えた時には甘やかしてくれない。
ちぐはぐだ。

