「てか、アンタってさ・・・よく仲谷と付き合っていけるね」
「そう思う?」
「かなり」
そう言って向井くんは少しはにかんだ。
「私も思う。だから、自分すごいなーって思う」
「なんだよそれ」
「だってそう思うもん。だけど、好きなんだよねー。向井くんだってよく由梨と続くね」
「そうか?」
「あの人、男子に厳しいからねー。付き合っても一週間で別れちゃうんだよね」
「まぁ、厳しかったりもあるけど、好きだし」
「なんか私ら、どっちも変な人と付き合ってるね」
「そうかもな」
まぁ、その変人が好きでたまらない私は、もっと変人なんだけど。
しかもMかもしれないのだ。
これはイヤ。
「あ、由梨」
「おはよ」
「浩貴」
由梨の後ろには浩貴が立っていた。
「そこで松竹とあってさ」
「そうなんだ」
「電車あと何分?」
「5分」
「ん、分かった」
浩貴はそう返事をすると、私と向井くんのあいだに自然に入り込んだ。
おぉ、なんかの技みたい。
そして、愛されてるな。
とか思ってしまう。
嫉妬深いだけとも言えるけど。

