「なんでWデートなんか・・・」

 ぶつぶつと呟きながら、浩貴は私の胸元に手をやってくる。

 パシっとはらいのけると、次はももにやってきた。

 手をつかんで反対にひねってやると、うなられたのでやめてやった。


「最近冷たくね?」

「そんなことはないよ」

「夏休みに、怖いから一緒に寝てって言ってきた奴と一緒だと思えん・・・」

「一緒です」

「・・・日曜のデートは2人っきりがよかったのになー。久しぶりのデートなのにー」

「・・・・・・」

 その言葉にはさすがに心が痛んだ。


 そりゃ、最近デートしてないんだけどさ。


 でも、由梨ともあそびたいなーって考えちゃって。


 
 ・・・でも、浩貴・・・そう思っててくれたんだ。


「ごめんね・・・。次は絶対、浩貴の予定優先させるから・・・次の日曜はいいかな?」

「・・・キス10回させてくれたら許す」

「・・・いいよ」

「ついでにセックスさせてくれたらもっと許す」

「それはいくない」

 浩貴のほっぺを思いっきりつねってやった。

 浩貴はほっぺをさすって涙目で私をにらむ。


 そんな顔を、可愛いと思った私がいた。

 
 もっと可愛気ある奴になれよなぁ、全く。

 涙目は可愛い。


「そんな意地悪する女になったのか? あぁ?」

「いつでもやられっぱなしじゃないの」

「キスずっとすりゃへなへなになるくらいの女なのにな」

「なっ・・・///」

 ひるんだ瞬間、キスされた。

 そのままソファの上に押し倒された。

 押したけどビクともならない体。


 くそぅ・・・。

 
 やっぱり勝てないのか・・・。