私は自分の体を見て、ため息。

 
 彼氏の仲谷くんは、顔も体もパーフェクトなのに。

 彼女の私は、顔も体も微妙だよね・・・。


 もっと、仲谷くんに釣り合う子になりたいな・・・。


「じゃ、各自、自由に泳いでください」

 先生の言葉とともに、私達はプールに飛び込んだ。

 冷たい水の感触が、気持ちがいい。

 由梨と泳いでる途中、ふと視線を仲谷くんにそらすと、周りには女の子。


 仲谷くんに見合うような、胸の大きい美人の人とか。

 顔がめちゃくちゃ可愛い人とか。

 
 仲谷くんとお似合いって・・・思う人しかいない。


 そんな女の子たちの中心で、仲谷くんは嬉しそうな顔。


 私は、自分の体を見てため息。

 そして、もう一度ため息。

 せめて・・・もう少しなぁ・・・。


 何か、すっごいむなしい。


「わ、麻友。仲谷くんの周り女子だらけじゃん」

「・・・そ、そうだね」

「もう、何それ~。もっと怒んなきゃ」

「でも・・・」

 私に怒る権利ってあるのかな?

 
 そりゃ、私は・・・仲谷くんの彼女だ。


 まだ、付き合って2週間くらい。


 それでも、仲谷くんがOKを言ってくれた時から、私は仲谷くんの彼女だ。

 
 でも、彼女でも・・・周りの女の子に対して怒る権利あるのかな。



 だって、もし周りの子が仲谷くんのこと好きだったら、その恋路を邪魔しちゃうわけなんでしょ?

 
 それに・・・何より。

 
 周りの女の子に勝てる自信がないの。