「はぁ」

 無意識にため息をはいた。

 つぐみは気まずそうだったけど、割といつも通りだった。昨日のようにおどおどすることなく、普通に話しかけてきた。演じて強がっているのかも知れない。でも、もう俺に気を使わないのかと思うと少し疑問に思う。いや、いつものことなんだけど。

「そんな簡単に浮気って許されるのか?」

 小さく呟いた言葉に返答などあるはずもなく、ただ部屋に虚しいため息がもう一度はかれた。

 もう何度目か・・・。こうやって何度も狂いそうなほど気分を害され、それでも彼女を思い病む。もう捨てるべきなんだろうか。