翌朝、微かな物音で目が覚めた。

「・・・ん」

 開きにくい目を擦った。

「あっ、圭斗ごめん。起こした?」

 つぐみがキッチンに立っているのが見えた。少しだるい体を起こす。

「・・・おはよう」

「おはよう。私学校行くからこれ良かったら食べてね」

「あ、悪い」

 すっかり起こすのを忘れていた。

「大丈夫だよ。いってきます」

 そう言って、荷物を持ち足早に出て行った。

 顔を合わすのが気まずいかのように。

 まぁ、実際気まずいんだと思う。