「過ぎたね、お疲れ様」 「お疲れ様です」 うーんと伸びをする理沙ちゃん。 「オーダーだいぶ減ってきたから、あともう少しってとこだね」 「うん」 店長を見ると、知り合いであろう客にビールを注いでいた。「接客するのも仕事だから」と店長は言っていた。でも、それは店長の仕事だから俺たちは俺たちの仕事をしてくれたらいいと言った。 葵が洗うグラスを理沙ちゃんが拭き始めた。 「俺卓の方見回ってくる」 「よろしくね」 そう言って客席へと向かった。