「私はダイエット中だし、サラダでいいかな。圭斗は?」

「俺も。あんまり食欲ないしさ」

 冷蔵庫を開け、二人でいるものを取り出す。トマトは苦手だ。

「好き嫌いはだめだよ」

 俺の気持ちを見透かしたように理沙ちゃんはトマトを手に取った。

「はいはい。じゃあ、俺レタスちぎるわ」

 ちゃんとつぐみは家に帰っただろうか。そんなことをふと思った。そのせいで無性に携帯が気になった。あぁ、面倒くさい。こんなこと考えたくなかった。