「何が?何に対してすみませんなわけ?」 意地悪したくなって、わざと聞く。無表情で「何が?」って言われて、この男はなんて思ったんだろう。 「いや、っ、えっと、あのーぉ」 かなりの勢いで焦っているのがわかる。 「何?早くして?」 男は立っているのが、辛くなったのか、床に正座し始めた。 いやいや、座るなよ、帰ってくれよ。正直顔なんて見たくないからさ。斜め上から冷ややかな視線送るには、ちょうどいい場所だけどね。