トランキライザー


「どうせろくに話してないんだろう?休憩時間になったんだし、ここで話しな」

「え?店長は?」

 荷物を持って出て行こうとしている。

「私は人と会う用事がある。バーの時間までには戻るから、あとは任せた」

「またかよ」

「仕事関係なんだから文句言うなよ。今日の予約については帰ってから伝える」

「はいはい」

「じゃあね、つぐみちゃん」

「ありがとうございました」

 頭を下げるつぐみを背に、店長は手をひらひらさせて、颯爽と出て行った。