「そういえば今日バーの方予約入ったらしいよ」
「えーっ、マジかよ」
理沙ちゃんの言葉に気が重くなる。
「うっわ、一気にやるきがなくなった」
「あはは、私も今日はバーも入るしがんばろうよ」
「おう」
そんなことを話しているうちに店に着いた。鍵を出し、裏口から中へと入り込む。タイムカードを機械へ通し、元の位置に戻す。理沙ちゃんとは別々の更衣室に行き、店指定のシャツと黒のパンツに着替え、黒色の無地のエプロンを腰に巻く。そして更衣室の隅に置いてある、掃除用具を持って更衣室を出る。この一連の動作をするのも、もう慣れたものになった。



