「そうか」

「ごめんね。迷惑かけっぱなしで。荷物、邪魔でしょう?」

「・・・いや」

「そっか。・・・おやすみなさい」

「あぁ」

 彼女はそう言って帰っていった。

 見送るのが嫌で、俺はすぐに家に入った。

 彼女が居ても、居なくても、俺は不安定だ。結局、彼女が好きだから、俺はこんなにも苦しいんだ。

「惚れたもん負け・・・、か」

 こんなにも苦しくなるくらいなら、すっぱり別れた方がいいのかもしれない。