トランキライザー

「多分、圭斗くん連れてどこかに行こうとしたんじゃないかな。だから、帰るって言って外に行ってんだと思う。電話であれだけおいでよって言ってたくせにね」

　葉月ちゃんは苦笑いしていた。

「あはは、確かに変わってるね。でも、気にしてないからいいよ」

「本当に？」

「おまえ、ヤッたら間違いなく付き合ってると勘違いするタイプだぜ？気をつけろよ」

　ビールを飲みながら、敦志が言った。

「え？ヤったの？」

　葉月ちゃんは驚いていた。

「ごめん、ヤってない」

「なーんだ。でも、本当に気をつけてね」

「うん」