トランキライザー


「・・・」

 俺の言葉を待っているようで、何も話そうとはしなかった。

「・・・はぁ」

 また無意識にため息が出た。今日一日でどれくらい出るだろうか。

 黙り込む彼女への呆れと何度も繰り返し、同じことをまた聞かなくてはいけないため息だ。

「ここは誰の家?」

「け、圭斗の」

「だよね。それは分かってるんだね?じゃあ、何でつぐみはここに居るの?」