トランキライザー


 もうすぐ店の前に差し掛かろうとしていた。

「この話店長たちに内緒だからね」

「分かってるよ」

 そう言って、店の中に入った。

 そうか。こういう考え方もあるのか。少し、肩の力が抜けた気がする。無理に引き離さなくてもいいのかもしれない。

 この日、仕事をしたあと、早々に家に向かった。明日は朝から仕事だ。考える時間を一刻でも減らしたくて、さっさと寝たかった。

 でも、そうはいかなかった。

「・・・つぐみ」

 昨日と同様、つぐみが座り込んでいた。

「・・・あ、おかえりなさい」