トランキライザー


 なんて返事していいのかわからない。

 帰ってこいと思う俺と、勝手にすればいいと思う俺。

 そんなことを考えながら仕事へと向かった。

「・・・と。圭斗。おーい」

「えっ?」

 急に名前を呼ばれて振り返った。

「あー、やっと気がついた?」

「理沙ちゃん。おはよう」

「おはよう。どうしたの?何か考え事?何回か呼んだんだけど、気付いてなかったから」

「ごめん。ちょっとね」

「つぐみちゃんと何かあったの?」

「え?」