トランキライザー


「まぁ、それまでにより戻ってるかもしれないしな」

「いや、ないと思うわ。・・・多分」

 ちょっと、敦志の言葉のせいで、もう一回チャンスやろうかなんて考えてしまう自分がいる。

「ははっ。まぁ、こうやって話してくれて良かった」

「なんかこの年になって男同士で恋バナとかキモいよな」

「間違いねぇな」

 二人で豪快に笑った。

 それからは二人で他愛のない話をして、酒が尽きた朝方、俺は家に帰った。