トランキライザー


「圭斗?・・・ねぇ、どうしたの?」

 可愛いつぐみ。好きだよ。好きだ。

 全てが愛おしい。

 その声も、髪も、目も、口も、指も、首も何もかも好きだ。



 でも、もう無理だ。

「・・・もう別れよう」

 そう言うとつぐみは眉を八の字にした。

「えっ。・・・な、なんで?どうしたの?この前の事怒ってるの?」

 この前・・・、あぁ、あの浮気か。

「違うよ。いや、違うわけじゃないけどさ」