「つぐみ」

 そう。すべての元凶のこいつ。一番の厄介者。

「・・・」

 黙ったまま俯いている。返事をしないのはいいわけでも考えているからなんだろうか。

 大体こいつに引っ掛かったのが、運の尽きだった。俺の運は最悪だ。

「つぐみ」

 黙っている彼女に、もう一度呼び掛ける。びくびくしながら、上目遣いでベッドから俺を見上げる。

「・・・キレて欲しいの?捨てられたいの?」

 そう言うと、目にいっぱいの涙を溜めて、こっちを見た。