土方血塗れ事件(笑)から幾日か経った。
「―…何してくれてんですか」
「いや〜もう夏だろ!?」
「まだ春ですけど」
「だから愁も水浴びしてぇだろうと思ってよぉ!!」
「話噛み合ってないうえにしたくなかったです」
庭で合気道の稽古をし、少し疲れて地面に寝そべっていたら水の塊が降ってきた。
大量に。
誰かと思えば思った通り
「俺って優しいなぁ!!」
上からアタシを見下ろす2人のバカ…もとい原田と永倉さん。
「もっとかけてやるよ」
「え、ちょ、永倉さんまで…うわぁっ!」
ざばーん。
いや、びしゃーん、か?
まぁ今はそんな事どうでもいい。
「…てめぇ等ぶち殺す!!」
3倍返ししてやる!
「「っギャーー!!!」」
「―…あれ、愁何やってんの?」
「よぅ平助。
お前もまじる?」
笑顔で訊ねるアタシの足元には、過呼吸なんじゃないのってぐらい息の荒いデカとチビ。
「左之と新八っつぁんじゃん。
え、何、漫才ってんの?」
「そーみたい(笑)」



