「何してるのー?」




語尾を延ばし、まるで子供っぽく咲希の見る草木を首を傾げて見つめる。




「何かいんの?」




「な、何もいない!」




声に力を込める。




と同時に、肩にも力が入っている。




それに気付かない咲希は、少し肩を上げ、藤堂の様子を伺っていた。





「だーかーらっ!そんな力むなって。一番組はもうすぐ巡察だよね?暇ならそれまで話でもしよー」




咲希の肩に手を置き、無理やり力を抜かせようとするが、逆効果で余計肩が上がる。




「ささ、こっちこっち」





先に縁側に腰掛けてみせる藤堂の無邪気な笑顔に惹かれたのか、咲希も真似て隣に座った。





それを見て「うん!」と声に出して頷き、満足そうにまた笑う。