「え・・・?」
勘違いだったのか?と先程と同じ表情を見せる咲希に、沖田は再び笑う。
「もー!!笑ってないでしっかり説明してください!!」
叫ぶ咲希に、「はいはい」と零れもしない涙を拭き取り、「だからー」と続けた。
「仕度だよ。夕飯の。当番制なの知ってるでしょ?」
「・・・・・・・・知りませんけど」
一瞬間を開け、ふてくされた様に言葉を吐く。
「あ、そう。じゃあ今教える。今日夕飯作るの僕たちだから」
手短すぎる説明に、何か反論したい咲希だが特に何も思いつかない。
「そういうことは早く言ってくださいよ」
「ふんっ」とそっぽを向き、まるで子供のように足を進めた。