****




「屯所戻ったらすぐ勝手場ね」




ある日の夕刻の巡察中、隣を歩く沖田がそう言った。




それに対し、「まだ夕食には早くないですか?」といった意味を含む「え?」という音を出す咲希。




それを見て沖田が手を口に押さえて笑いを堪えた。





「何その間抜けな顔」





「ククク」と小さく聞こえ、咲希が口に空気を溜めムッとする。





「別に、間抜けてません」





「いやいや、間抜けだよその顔。目を点にした感じ!!」





「だって!!夕食にはまだ早いじゃないですか・・・・沖田さんこそ、そんなにお腹減ってるんですか?」





初めは強気で言ったものの、段々と自身をなくす咲希の言葉。





「まぁそう勘違いしてるとは思ってたけどね」