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「似合ってないよ。それ」





一番組巡察中、突然頭の上にそんな台詞が降ってきた。





沖田が言う「それ」について一瞬悩んだが、すぐに理解は出来た。




羽織だ。





考える時間のせいで、反撃に遅れをとってしまったことを瞬時に悔やむ。




「知ってます!そのくらい言われなくても承知です」





強気で言ったはいいものの、その程度の言葉しか吐けない自分に腹が立つ。





いや、それより沖田への怒りの方が数倍も大きいが。





「君、背低いからぶかぶかだね。まぁ、土方さんは多分一番小さいのくれたんだろうけど」




つくづく嫌味な男。





咲希は「ふんっ」とそっぽを向き、「うるさいです」と声を低くした。